17年前のこの日:一週間後

2001年9月18日

・神奈川

まだ暑さの残る18日は、旅立ちを後押しするかのように晴れていました。

見送られた駅のホームで差していた日差しは今も鮮明に覚えています。 

 

・ロサンゼルス

ロサンゼルス国際空港(LAX)到着後はシャトルバン(乗合タクシー)で大学のキャンパスに向かいました。

まだテロ事件から一週間後で、アメリカではアラブ系やイスラム教徒の人に対する敵対心が懸念されている頃でしたが、よりによって僕のバンは白人男性(50代)、アラブ系男性(30代)、そして僕という乗客の組み合わせになりました。

嫌な予感がする中バンは進行しましたが、途中で白人男性がついに沈黙を破り、アラブ系男性に向かって「お前みたいな奴がいるから・・・」と言い始めました。

幸いアラブ系男性が冷静に受け流したおかげで状況はエスカレートしませんでしたが、このときは正直冷や冷やしましたし、「やっぱりこうなるのか。。。アラブ系の人たちは大変だろうな。。」と思いましたね。

でも、これがもし1942年のアメリカでしたら立場が逆で日本人の僕が標的になっていたことでしょうし、自分が(日本にとっては)平和な時代に生まれたことへのありがたさを感じました。

 

・当時の雰囲気

大学に着いてからはバンで経験したような緊張感はなく、その後も特に危険を感じるようなことはありませんでした。

当時の現地(大学)の雰囲気はと言いますと、むしろ温もりと一体感を感じましたね。

ちょっと上手く表現できませんが、当時はアメリカの誰もが 9.11 で同じ悲しみを感じ、そして前を向いて同じ未来を信じていた、という状況でしたし、その共通の気持ちから生まれたような一体感があったのを覚えています。

これは大学特有の環境のおかげという見方もできるかもしれませんが、振り返っても僕がいた四年間で2001年の秋は明らかに雰囲気が違いました。

その時期は対テロ戦争も始まり、メディアでは政治や宗教、戦争や愛国心などの話が多かったと思いますが、僕の日常生活ではそれらよりもただ純粋な温かさを感じました。

(ちなみに最近のアメリカは対照的にとても divided な印象を受けるので、残念に思います。)

 

最後にちょっと余談ですが、僕はこの時期と連想する曲があるのですが、Enrique Iglesiasさんの Hero という曲です。

この曲は2001年8月にリリースされたもので、テロ事件後の benefit concert でも演奏され、当時のアメリカではラジオなどでよく流れていました。なので、今でも僕はこの曲を聴くと2001年の出来事や雰囲気を思い出しますし、毎年この時期はこの曲を思い出します。

17年前のこの日

2001年9月11日

当時の僕はアメリカの大学入学直前で(米国では主にこの時期に入学します)、高校卒業後の夏休みを神奈川の実家で過ごしていました。

 

成田からロサンゼルスに向けて出発するのは9月14日。

その日から始まるのは:

- 初めての大学生活。

- 初めての寮生活。

- 初めてのアメリカ生活。

- 初めての一人での海外生活。

18歳の夏は色んな意味で新しい生活を迎えていて、ワクワクとドキドキでいっぱいでした。

 

9月11日は荷造りなどの準備もほとんど終えていて、あとは三日後の出発を待つだけでした。

 

テレビで事件のニュースを見たのはその日の夜のことでした。

見たこともない光景。伝わってくる混乱。錯綜する情報。 

ただでさえ衝撃的な事件でしたが、アメリカ留学を目前にしていた僕にとっては他人事ではありませんでした。

しかも僕が三日後に乗る飛行機の行き先は、ハイジャックされた4機のうち3機と同じロサンゼルス─────

 

犠牲者へのお悔やみの気持ちに加えて、自分の将来が急に見えなくなり、かなりショックでした。

11日の夜はなかなか眠れず、その後も数日間ストレスでダウンしました。

14日に乗る予定だった便も欠航になり、出発の見通しもつきませんでした。

飛行機どころか留学はもうないな、大学に行くこと自体も白紙だな、とも思ったのを覚えています。

 

でも結局、何日か家族と相談しながら考えた末、事件から一週間後の9月18日に渡米することになりました。

幸い、18日に無事に留学先に着くことができ、僕の大学生活は始まりました。

それから四年間アメリカで過ごすことができました。

でも、あの日のことは今も忘れられないですね。

英語力とは:辞書編

辞書の訳語が不自然な場合

2017年、北朝鮮の英語の声明でトランプ大統領“dotard”(「老いぼれ」)と呼ばれたことが英語圏で話題になりました。それはこの単語は古語であり、現在は使われないどころかネイティブでもほとんど誰も知らない単語であったためです。

このように、辞書に載っているからと言ってその訳語が適切であるとは限りませんし、正しく伝わらないこともあります。

 

日→英の例を挙げますと、「シナを作る」です。

これをある和英辞書で引くと、 be coquettish という英語表現が出てきます。

この表現は確かに意味的には「シナを作る」に相当しますが、実際はあまり使われませんし、もし会話などで使ったら不自然です。

自然な言い回しは to give (someone) a flirty/seductive smile などです。

 

このように、コミュニケーションにおいては単語の意味だけでなく、その単語が実際どれくらい使われるのかどのようなときに使われるのかどのような印象を与えるのかなども考慮しなければなりません。これらの要素は辞書だけでは十分に理解することができず、英語のインプットとアウトプットをたくさん積むことにより分かってくるものです。

 

辞書の訳語が不十分な場合

「猪突猛進」

例えば「猪突猛進」は和英辞書で reckless と訳されていますが、これでは日本語のニュアンスが十分に反映されていなく、訳としてはイマイチですね。本当はもっとぴったりな英語表現があります。

「変化球」

この単語はほとんどの和英辞書で breaking ball と訳されていますが、これははっきり言って間違っています。正しい訳は off-speed pitch です。Breaking ball はスライダーやカーブ系の「曲がる系」の球種(breakとは「曲がる」を意味します)を意味し、他の種類の変化球(「落ちる系」のフォークやチェンジアップなど)は含まれません。

 

こういう面でも辞書は鵜呑みにできません。

辞書の訳語にとらわれず、最も正確で適切な表現を使うことが大切ですね。

 

辞書に訳語がない場合
  • 英→日

例えば It was crickets. という英文の意味を知りたくて cricket の意味を辞書で調べても、この文脈での意味(「沈黙」)は出てこないでしょう。

他にも “weigh… soaking wet”“kick away” などの表現も辞書には載っていないので、理解するには辞書以上の知識が必要です。 

  • 日→英

例えば「(ピアノで)ドからレまで届きます」と英語で言いたくても、辞書では言い方は見つからないと思います。

他にも「朝活」「(ネットで)炎上」などの新語を含め、和英辞書には載っていない言葉が多くあります。これらを英語で表現するには自ら訳語を見つける・考える必要があるため、英語力が試されます。

 

このように、辞書ではカバーされていない表現もたくさんあるので、そのような表現を正確に理解・英訳する能力も英語力の一部と言えるでしょう。

英語力とは:文化知識編①

 

映画・TV番組の知識

もし僕がツイッターのアカウント名を「Translator-X」に変えて、プロフィールに「僕、誤訳しないので。」と書いたら、ほとんどの日本人の人はどのテレビドラマのどの人物をもじっているか分かると思います。

同様に、英語では英語圏映画テレビ番組のシーンや台詞をネタにすることがあります。 

Hansel, so hot right now, Hansel…

英語文化に定着した台詞の例を挙げますと、So hot right now です。

これはコメディ映画 Zoolanderウィル・フェレル が演じる Mugatu が発した名言です。

この台詞は、あるシーンでハンセルという人気急上昇中の男性ファッションモデルに関して「ハンセル、あいつは今絶好調だ、あのハンセル」みたいな意味でMugatu が言います。

 

この台詞は受けが良くて流行ったため、アメリカなどでは誰かが好調だったりすると “[名前], so hot right now, [名前]...” と言われるようになりました。(映画公開から15年以上経った今でもよく知られていて、使われることがあります。)

 

例えば、もし大谷選手が絶好調のときにアナウンサーやファンが “Ohtani, so hot right now, Ohtani...” と言った場合は、ほぼ確実にこの台詞をもじって言っています。

クイズ

下記の例も有名な映画を引用していて、英語圏ではほとんど誰でも分かるはずです。

さて、読んでみて意味は分かりますか?

(解説は後日ツイートします。)

 

1. I have a Dumb and Dumber chance of winning this contest.

2. The club made him a Godfather offer.

英語力とは:単位編

「身長175センチ」「体重68キロ」「気温27度」「3キロの距離」「視力1.0」「14時」

これらは日本では一般的に使われる表現ですが、そのまま英語にしてもアメリカではどれも通用しません。

気温時刻表示を含め、英語圏では単位が日本のものと異なることがあり、話し相手の国のものに合わせる必要があります。

身長・体重

例えば身長体重に関しては、アメリカではそれぞれ feet and inchespounds が使われます。(イギリスでは身長はメートル法ですが、体重は stones and poundsです。)

もし身長175センチ体重68キロでしたら、米国英語では “5′9, 150 [lbs.]” と表記します。

読み方は、

  • Five nine, one fifty
  • Five foot nine, a hundred and fifty pounds

など、いくつかあります。

 

通貨

標準的な表現では例えば20ドル札のことを twenty-dollar bill と言いますが、会話ではAlexander Hamilton (10ドル札)、C-note (100ドル札) など、砕けた表現もよく使われます。また、硬貨は nickel (5セント)、dime (10セント)などと呼びます。

英語力とは:和製英語編

  • 英語では使われない、いわゆる和製英語を認識できるか(例:マグカップ、ワンランクアップ、プラスアルファ)
  • 英語では別の意味を持つカタカナ語(このように二言語で異なる意味を持つ言葉を英語で false friend と呼びます)を認識できるか(例:コンセント、テンション、マンション、スマート、ジンクス、メリット)
  • 上記3カテゴリー全てにおいて、カタカナ語を適切な英語で表現できるか
  • カタカナ語と英語の発音の違いを認識し、英語での発音ができるか(例:カジノ[英語:カシーノ]、コストコ [コスコ]、ルーキー [ルッキー]、マーティン

英語力とは:略語編

英語では言葉が短縮されたり頭字語にされることがよくあります。 

例を挙げますと mic (microphone), juco (junior college), carbs (carbohydrates), stats (statistics), NOLA (New Orleans, Louisiana), YOLO (You only live once) などがあります。

完全な形の単語と違い、辞書に載っていないこともあるのが一つの難点ですね。

 

特に近年は SNS の広がりもあり、ネット上では様々な略語がよく使われています(例:TBH, FWIW, ICYMI, IKR, IDK)。 

略語の留意点

・頭字語の場合は一文字ずつ読むのか(MLB など)、一つの単語として発音するのか(NASA など)も知る必要があります。

これは話すときにはもちろんですが、書くときも冠詞 (a/an) に影響するので重要です。 

・略語の意味が日本語と英語で異なることはもちろん、英語圏内で異なることもあります。 

・略語も細かい違いに気を付けなければなりません。

例えば Pit/Pitt  や Cal/Cali で意味が異なります。

 

(※英語力と言っても、英語圏には色んな国がありますし、国によって方言・文化や人々が持つ知識が異なります。すべての国をカバーすることはできないので、このシリーズでは世界で主流となっているアメリカ英語を中心とさせていただきます。紹介する例などは、アメリカで一般的に知られているものを選んでいます。The Gundo や OCMD など、アメリカの一部の地域でしか知られていないものは含めません。) 

大学名の省略

・米国では大学名がよく略されます。UCLA などすぐ分かるものもありますが、そうでもないかもしれない場合もあります:

  • Cal (The University of California, Berkeley)
  • U-Dub (The University of Washington)
  • Wazzu (Washington State University)
  • Ole Miss (The University of Mississippi)
  • The U (The University of Miami)

大学名の略語は二校以上が重複する場合もあるので (USC など)、それも要注意です。

 

単語ごと省くことも

・「X系アメリカ人」と言いたいときは "X American" と言いますが(例:「アイルランドアメリカ人」は "Irish American")、アメリカではよく American を省くことがあります。

例えば、Irish American が Irish に略されます。

(よって、同じ “I'm Irish” でもアイルランド人が言えば「私はアイルランド人です」、アメリカ人が言えば「私はアイルランドアメリカ人です」で、国籍の異なる意味になります。)

・他にも、

life sentence→life

out with a knee injury→out with a knee

Florida State University→Florida State

a bottle of red wine→a bottle of red

などの例があります。